>>O様
メリッサさんも人の子ですからねえ……。
娘さんのあれが、実は素だったかも?(笑
今回の架空機はもう、撃ったらペンペン草一本残りません。
あんなのとタイマン勝負したらこっちが即死物です^^;
と言うわけで、本日の小話をば。
その来客は、唐突だった。
少なくとも、小さなホームパーティにはそぐわない人物だった。
「や、シャム」
車椅子の男……マーカス=ランパートの顔色を変えるには、十分な人物であったが。
「あそこに王様があるうちに記念撮影する事になった」
来訪も唐突なら、言い出す事も唐突だった。
「で、華が私とラナーしかいないんでな」
だからといって、民間人まで巻き込むか。
「スカイキッドとかは」
「微妙」
「アバランチとかは?」
「黙れ30代」
ああ、この切り口は相変わらずだ。
「ママも32だよ」
「こ、こらっ、マティルダ!」
「……おや、そうでしたか。お若く見えたので、てっきり」
「まぁ……」
民間人には、柔らかかった。それどころか……。
「先の理由もあるが、やはり王を護った小さなナイトも一緒にな」
子供達には大うけだった。
まだ、ガルーダ隊1番機と知れていないのに、だ。
ここで終われば、美談だったのだが……。
「そうか……」
彼女、メリッサの旅路に話がずれたときから、嫌な予感がしていたんだ。
「よし、全員行くか」
「へ?」
「え?」
「おぉぉー」
「おじさんも来る?」
「お姉さんも来る?」
「よし、多数決、決定」
いや、子供達の頭数で決めないっ!!
その後のガルーダ1のそれは、暴挙も良いところだった。
草原の収容所に乗り込むが早いか、すぐに目的の人物を見つける。
ここまでは、まだ良かったのだが……。
「新婚、とな」
「え、ええ、まあ」
「よし、連れてくか」
「え、ちょ、ぎゃーっ!!」
その若旦那まで拉致するのはいかがな物かと思う。
「私もいいのかね」
「是非」
いつぞや死ぬ気で追い回した男すら、あの日の勝利に関わったからと。
正体が知れたら、それこそ周囲は大混乱と言うのに……。
いや、既に遅いかもしれない。
「イエロージャケット、相当に恐れられていたな」
そこにヘリ部隊をもっていくのはどうかと思う。
そして、だ。
「と、言うわけで、メンツが揃ったわけだ」
それを誇らしげに報告に、わざわざ出向くのかこの人は。
「よ、良くできたな……」
「英雄の強権と言う奴で」
違う意味で翼を無くしても知らんぞ?
まあ、それでも車椅子の後ろのハンドルを握ってくれる。
横柄に見えてすることはちゃんとするからこそ、大部隊を率いる器になりうる……。
「ああ、大丈……」
「喋ると舌噛むぞ」
……はい?
叫べる物なら叫びたかった。
が、車椅子の身ではそれこそゆるされず。
「!!……!……〜っ!?」
走る、走る、走る、走る。
ガタガタガタガタガタと鳴るのにお構いなし。
銀の女王、車椅子を押しての無言の疾走。
むろん、到着した従者が目を回していたのは言うまでもない。
「おい、貴様等はもう少し外」
「え、ちょ、何でっ! 俺ら最初から最後まで飛んだ仲じゃねーのっ!?」
「主役は私と子供。おい、そこの3馬鹿、シャム支えろ」
「え、ちょ、何だ3馬鹿ってっ!?」
「……貴様等がグレースメリアで何やっていたか、しっかり筒抜けなんだが?」
「謹んで裏方をやらせていただきます」
「え、いや、ちょっと……」
「医者のOKは貰っている」
「いつの間にーっ!?」
「では、エストバキアの方々もこちらへどうぞ」
「いいん、ですかね?」
「いんだよー。王様は、敵にも優しい笑顔だったんだからー」
「最後はみんな仲良しになるんだよ」
「だ、そうだ」
「さ、トーシャ、笑って」
「ほれ、お前は王様の横だろうが」
「解っている。さ、君もこっちだ」
「あー、マティルダいいなあー」
「全員、立ち位置とカメラはいいな?」
「「「はーいっ」」」
「5,4,3,2,1……撮影、今!」
正真正銘のオールキャストが揃った写真。
冷血非情の女王がその時だけ見せた微笑みはしかし……
「……あの、タリズマンの肩、これってー……」
「つーか、うーっすらと見えてるのって?」
「隊長、幾らなんだって……」
「……死人の分際で私の肩に手を置くとは良い度胸だ」
写真が出来上がった頃にはいつもの鉄面皮に戻っていた。
うちのタリズの渾名は「銀の女王」になりました。