澄香のネタ帳

小説の雛形からFLASHゲームのネタまでつらつら。

たまには真面目に 

はてさて、二次創作における独自設定とはどこまでいいのか?
勿論無制限と言われればそこまでなのですが。

魔法使いとか超生物が闊歩している世界でも。
果たして世界観から逸脱した存在をどう書くか。
ただ単に強いだけでは興ざめ……
と言うかドラゴンボール現象を発生させるのは正直際限が無くなるわけで、
ましてその世界に無い存在をどう入れるか?

……早い話が読者を置いてけぼりにせずに受け入れさせるにはどうするかということですけどね。
はなっから科学Lvが違うとかであれば原作より何世紀とか。
特定の生物がずば抜けて強いならその原因が何か。
原作からのリンクがあれば分かり易いんだろうけどねえ。

等と語って見ましたが、原作からあえて大幅にずらして尚読者を獲得している方々もいるので、結局は引き入れられるかによるのでしょう。
……世界観の細微な設定でなく、それこそどう書く事で読者を引き入れるのかで。
[ 2007/06/23 19:52 ] 創作小説 | TB(0) | CM(0)

日常風景 

 街の通り、スラムに程近い場所に石垣亭なる宿がある。
 昼夜を問わず荒くれ者の喧噪がごった返すこの酒場。
コリコリコリコリ……。
 左を見れば屈強な傭兵が酒盛りを上げ、右を見れば胡散臭い証人が金勘定。
カリカリカリカリ……。
 酔っ払いの祭りと金貨の音、そして食器の鳴る音に混じり、小石をかじる音がした。
 選り取りみどりのパンが自慢のこの宿、金払いがパンの音に出る。
 賑わう食堂の片隅の三人組の食事である。
 ローブの男女ともう一人、石をかじっていたのは野伏と思しき少年である。
 お世辞にも品の良い店ではなかったが、その音が金目当ての暴漢からの隠れ蓑の役割を果たしていたのは皮肉な話である。
「止めて下さい!!」
 酒場の一角、給仕の娘の悲鳴に場が静まる。
 若い娘の細腕を引く、いかにもな−同業者がうなだれたくなるほど醜悪な−傭兵。
 それも一瞬の事、元の喧噪に戻るならともかく、娘が騒ぎの中心に引きずり込まれる。
「いーじゃねえかよー。こんな寂れた店で働くよか」
 乗じる物は下卑た笑みを、傍観する物は呆れた笑みを。
 店の主人も諦め顔で止めもしない。
 野伏もまた興味が無いように使用済みの依頼書を二枚弄び始めた。
 折っては戻し、折っては戻し、一見その繰り返しのように見えて出来た二枚の紙切れを組み合わせ、出来上がったのは鋭い十字。
 それを導師の男に向けると、導師が指先を軽くなぞらせる。
 呪文の詠唱も、光を帯びた十字も、喧噪に紛れているだろう。
「嫌ですってばーっ!!」
「別にいいじゃ……」
 ヒュッ、スコーン
 娘の腕を掴む男の肩が高い音を鳴らす。
 それでも、酔った男に代わりそれを教えたのは周囲の沈黙だった。
「ん、どうした……お?」
「そのぐらいにしたら」
 東国の訛の入った声に振り向く。肩当てに刺さった異物には気付かない。
 先にいたのは、十字を弄ぶ野伏の少年だった。
「へ、何処にでもいるもんだな……っと、あれ?」
 傭兵が腰に手をかけるより、少年の手が動く方が先だった。
「おい、落としてる落としてる」
「止めた方がよさそうだぜー?」
 腰の鞘があったはずの皮ベルトに、紙の十字が刺さっていた。
 周囲の揶揄に、虚仮にされた事実を悟る。
 タダでさえ酔った頭に、理性を期待するのは無理な話。
「ん、な……っ!」
 剣を拾い上げるより、少年が次の武器を見つける方が早かった。
ガッ!!
 次の音は、周囲の静寂を長いものにした。

 その翌日。
「……何で僕等が割引価格で魔物退治なんですか」
「人様が精魂込めて作ったパン凶器にしやがった分も含めてるぞ」
 砕けた鋼の剣に、とばっちりを受けた宿の床。
 切磋の判断で手にした手近な石は、安宿を取った者に主人が振る舞うパンだった。
[ 2006/11/25 14:44 ] 創作小説 | TB(0) | CM(0)

人形の神様 

 昔々在るところに、神様の住む山がありました。
 麓の街では年に一度、娘を巫女として神様の世話をさせ、
 代わりに神様は麓の泉を通じて恵みをもたらしていました。
 それも今は昔の話で、今は泉に小さな祭壇があるだけでした。

 ある時、一人の娘が泉にやってきました。
 花と果物を泉に沈め、ただただ祈りを捧げてました。
 来る日も来る日も娘は花と果物を泉に沈めます。
 やがてその香りに気付いた神様、そっと娘に尋ねます。
 忘れられた神に何ぞ祈る?
 娘は答えます。
 父が重い病に床に伏しております。
 日に日にやせ衰え、出来物の為に眠ることすらままなりません。
 父を救ってくれるなら、どんなことでも致します。
 これを聞いた神様は答えます。
 人の死は定め。私の力を持ってしても変えられない。
 それを聞いた娘は日が沈むまで泣きはらし、そのまま眠りにつきました。
 翌朝目覚めた娘の手の平に、小さな水晶が置かれていました。
 中に入った水に、不思議な形の葉が浸されています。
 これはきっと神様の思し召しと同じ葉を探し、
 水に浸して父親に与えました。

 すると腫れ物が見る見るうちに引いていき、病の苦しみは去りました。
 それに感謝した娘、神様の巫女になると言いました。
 しかし神様の言葉を知った父親、ならば最期の仕事にと、
 小さく見事な女神像を一つ、驚くほど早く彫り上げました。
 私が死んだその後は、この像を祭壇に捧げておくれ。
 それから暫くして、父親は安らかな顔で旅立って行きました。
 そして約束通り泉に訪れた娘に神様はいいました。
 この者を私の巫女とする、と。
 すると女神像は倒れて泉に沈んでいきました。

 それからある日、陶器職人の弟子が、
 粘土を誤って湖に落としてしまいました。

 更に百年が経った時、山の奥の祭壇を訪れた冒険者の一団が、
 水晶を抱えて陶器の花飾りをつけた女神像と、
 それを取り囲む美しい侍女達の並ぶ庭を見つけたということです。

参照図書(ネタの元)
「ファンタジーRPGの100の常識・アイテム編」
人身御供の代わりの人形を自分で作る神様w
[ 2006/10/31 14:41 ] 創作小説 | TB(0) | CM(0)

竜と騎士 

 昔々、小さな国の近くの山に、金色の竜が住んでいました。
 ある日竜は言いました。
 竜より強い生き物がいたら、私の宝を譲ろうと。
 そう聞いた国の騎士達、次々勝負を挑もうと山に向かいます。
 所が、一人辿り着く度に竜は言うのです。
 その立派な剣は誰が作った?
 その立派な鎧は誰が作った?
 そう言われて、引き返したり身一つで挑んで蹴飛ばされたり、
 身一つで勝たねば宝の場所は教えないと言い張っていました。
 今度は魔法使い達が挑みましたが、
 魔法を使う前にやはり吹き飛ばされてしまいました。
 今度は騎士と魔法使いが揃って行くと、
 一頭に対して二人でこないと勝てないのかと言われます。

 国の騎士も魔法使いも連戦連敗、
 何とかならないかと悩んだある日、
 竜の話を聞いた一人の男、
 山から飛び立とうとした竜を魔法で撃ち落としてしまいました。
 竜はずるいと抗議しましたが、男は言いました。
 お前は狩りの獲物にわざわざ断りを入れて挑むのかと。
 すると竜は答えます。
 お前は狩りの獲物と取引をしようと思うのかと。
 すると男は笑って言いました。
 ああするよ。俺の獲物は人間だから。
 これを聞いた竜、呆気にとられてしまいました。

 所が困った事になりました。
 竜は宝なんて持って無く、
 知恵比べのつもりで言い出した事だったのです。
 気付いた男、笑って竜に言いました。
 お前の立派な翼と力は十分宝。仕事を一つ手伝えと。
 嫌なら自慢の鱗を頂くと言われては、流石に手伝わざるをえません。
 気の進まない竜、男から仕事を聞いて驚きました。
 なんと、仕事とはその国のお城に忍び込む事だったのです。

 所が不思議な事に、毎夜毎夜と空から忍び込んだはいいものの、
 男はいつも手ぶらで戻って来たのです。
 忍び込んだらは自分の仕事、上手く行くまで待ってくれ。
 ある日、男が一晩戻って来ない日がありました。
 夜明けまでに戻ってこない日は、翌晩迎えに来いと言われていました。
 その通りに翌晩やって来ると、男はお姫様と出てきたのです。

 帰りに竜は言いました。
 姫の心を盗めたならば、私の仕事も終わったと。
 すると男は言いました。
 心を盗まれたのは私の方、本当の仕事はこれからと。
 竜は不満半分期待半分、付き合うことに決めました。

 それから数日後、隣の国がこの国を攻め込んできたのです。
 その国は王様の贅沢で貧乏になっていた国でした。
 それを知ると男は竜の背に乗って敵国のお城に飛び込んで、
 悪い王様を捕まえてしまいました。
 そうしておいて、お姫様の部屋に忍び込み、
 貧しくなった国を立て直す手伝いをして欲しいと頼んだのです。
 やがて隣の国は豊かになり、仲良くするようになりました。

 実はこの男、隣の国の騎士でした。
 何時までも贅沢を改めない王様に愛想を尽かして出ていったのですが、
 一目惚れしたお姫様の国に攻め入ると聞いて、
 居ても立ってもいられなくなったのです。
 そして騎士は王様になって、改めてお姫様にプロポーズしたとのことです。

 それを見届けた竜は言いました。
 お前は二つの国を手に入れた。一つ余りができたぞと。
 すると男は言いました。結婚した以上この国はもう一つの国だと。

 それを聞いた金の竜、楽しい時間で礼はなったと飛び立って行きました。
[ 2006/09/24 14:33 ] 創作小説 | TB(0) | CM(0)

竜と巫女 

 昔々あるところに、ちいさな村がありました。
 村は暖かく豊かな土地でしたが、その為に魔物も多くいて、
 収穫期になると魔物退治に四苦八苦していました。
 それが村人達の唯一の悩みでした。

 ある日、村の近くに白い竜が住み着きました。
 その竜の目当ては村の近くにたくさん居る魔物でした。
 収穫期になるとこのあたりに増える事を知って、
 その間はここにいようと決めたのです。

 村人達は喜びました。
 毎年何人も、魔物のせいで帰らぬ人になっていたからです。
 収穫期に森に入れるようになったのも初めての事でした。
 そこで、村人達は森で取れた果物をお礼に供えました。
 最初は何だろうと思っていた竜ですが、
 大好きな果物は、竜の大きな手では取りにくかったもので、
 せっかくなのでと頂きました。
 魔物がいなくなると竜もいなくなりました。

 翌年の収穫期にもまた魔物がやってきました。
 もちろん竜もやってきました。
 その度にお礼の果物をお供えしました。
 豊作の年には牛をお供えしたりもしました。
 竜にも、それは自分が魔物を退治してるおかげだと解ってきました。
 そうしてこの村で、竜は神様の使いになりました。

 所がある年、酷い日照りに見舞われました。
 田畑は枯れ、果物も実らず、なのに魔物はやってきました。
 もちろん竜もやってきました。
 竜は魔物を退治してくれましたが、お礼の作物と果物がありません。
 牛も残ったのは乳牛一頭で、村はギリギリの状態でした。
 困り困った村人達、とうとう人身御供を差し出すことに決めました。
 選ばれたのは村では変わり者の娘でした。
 見えない何かと話をし、夜になると近くがぼんやりと光る不思議な娘でした。

 村人達の心配を余所に、娘は自分から人身御供に申し出ました。
 果物の代わりに彼女を置いて、村人達は帰っていきました。
 困ったのは竜の方です。
 どうして娘を置いていったのか全く解らなかったのです。
 長く村に通い続けて、竜は人を好きになっていました。
 食べる気なんてありません。
 娘も帰るわけにいきません。
 悩み悩んだ一人と一匹、仕方がないので一緒に余所へ行きました。

 竜と娘は半年の間に世界中を回りました。
 その間、竜は狩りで肉を集め、娘は森で果物をあつめました。
 鱗の間に小さな棘が挟まって竜が困っていたときは、
 娘が取って上げました。
 たまに失敗して鱗が一枚こぼれ落ちる事もありましたが、
 娘はそれをお守りにとっておきました。
 すると、街道沿いで出会った商人に、
 鱗を譲ってくれと頼まれました。

 家畜をさらう悪い竜もたくさんいて、
 追い払うのがやっとだったので、鱗は今よりずっと高価なものでした。
 鱗と交換に、娘は服と本を買いました。
 挿し絵がちょうど、村にいたころ話していた見えないものそっくりだったのです。
 本を読んで娘は魔法を覚えました。
 あの村には、いいえ、村のある国には、魔法使いがいなかったのです。
 ちょっとした怪我ならすぐ治せるようになりました。
 熱い場所でだしてくれる氷をかじるのが竜の楽しみになりました。
 同時に、零れた鱗を持って街に買い物にいくようにもなりました。

 村ではまだ不作が続いて、とうとう魔物もやってこなくなりました。
 それを知った娘は貯まった鱗を全部食べ物に買えて、
 いつもお供えしている場所においてきました。
 また竜がやってきたと思ってそれを見た村人は、
 喜んで食べ物をもって帰りました。
 それを見て、娘と竜はこっそり村を後にしました。

[ 2006/09/22 14:31 ] 創作小説 | TB(0) | CM(0)
プロフィール

蛍火 澄香

Author:蛍火 澄香
狩ったり戦闘機飛ばしたり。
FLASHも少々いじくり。

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