あー……やだやだ。またこの季節がやってきた。
自慢の漆黒の鱗に浮く赤錆を見ながら、「彼」はうんざりと言う様子で身を伏せた。
老いたとはいえそれなりに肌触りの良い鱗ががさがさになるのはやはりいいものではない。
人間のメスが月に一度異様に不機嫌な時がある。
あれも似たようなものだろうかと「彼」は思う。
でも自分オスだしなあ……。
巣穴の内部に自分の爪で作った足跡の爪研ぎ壁に身をこすりつける。
若い頃は人里だろうがお構いなしだったのだが、
脱皮前に尻尾を切られること数回。
その継ぎ目に当たる部分の皮膚の生成が上手く行かず、白い筋が入ってしまっている。
錆と共に黒ずんでいくそれ故に、かつて「彼」が「縞つき」と呼ばれ、
小さな集落の人間達から恐れられていた。
もっとも、普段は黒地に白縞、しかも先の鋭さが失われてどことなくユーモラスなのだが。
あーやだやだ。ごりごりごり。
ちなみにこの洞窟、彼がこうして身をこすりつけて憂さを晴らすことを覚える前は、
山から本の少し突き出た岩場であった。
さてさて……果てない装備強化もいいけど、クエストの空欄も結構ある。
これから相手にする強敵を考えればえり好みはできないっていことで。
まずはー……と、ん?街から救援?
錆びたクシャルが襲撃してくるかもしれませんよとな?
んむー……まあ、さ、弓の強化には必要なのよね、爪。
とはいえ、なーんかやりにくいなあ。山神様に馴染み過ぎちゃったかしらね。
……え、「縞つき」だったら、ハンター呼ばないで逃げる?
おいおい、若い頃に何やったんだ山神様……。
ま、幸い相手にしたクシャルはそんな事はなく、無く……えー、やりにくい撤回。
ちょこまか逃げてんじゃねーぞ貴様ァーッ!!
麻痺と睡眠フルセットで各々一回しか効果無いってなんじゃごるぁーっ!
うん、キリンの蒼角でパワーアップした弓でばっちりしっかり追い返しましたとも。
あー……もう一発ぐらい竜撃槍うちこみたかったかもなー。
で、意気揚々と帰還。そう言えばギルドナイトシリーズが作れるんだっけか……青い奴ね。
……ちょっとコーディネイトして下位クエに素材集めにいこうかな。
え、不運つくの?うはー……装飾品でごまかせごまかせ。
足は……久々にゲリョスレギンスにしちゃえー。
でもそうなると髪形は何がいいかなー……で、久々にストレート。
結構酔狂だよね、ほんと。
いつもの装備に着替えて今度は更に懐かしいレイアレイヤー。
ジャンボ村にいたころは結局兜被ったりでそう長くやってなかったのよねーん。
「ご主人が髪切ったニャ!!」
「失恋でもしたかニャ!?」
「山神様にフられたニャ!?」
何でそこで山神様が出るかぁーっ!!
第一相手は龍だってーの。
さて、とりあえず連敗している灰ラオ。
修羅一式に……不格好だけどモノデビルキャップ付けていってみたわん。
……弓ひっかからないかしらこれ。
起きるときとかやばそうな……まあいいや、まず猫飯を……
「ニャ……」
「ニャー……」
「……」
ちょ、待ってアンタ達、何その反応!
レベたんに到っては気絶しちゃってんじゃないわよー!
あんた一応ハンターやってんでしょーに!!
うー……解ってます、解ってますよ自分の格好の異様さぐらい……。
でもさあ、格好気にして勝てる相手でも無いわけで……。
結果、やれそうでやれないもどかしさで終了。
いっそ連射と組み合わせて手数増やすか?
……普通に連射つけるほうが現実的ということで、ちょっと死神セット揃えてきます。
と言うわけでドドブラ一匹なら楽だろうと行ってみたんですよ。
ダウン1回半殺し2回
……あの、複数順番討伐との、この違いはどこから……。
何とか勝てたもののお目当てのモノは出なかったので、
憂 さ 晴 ら し に 複 数 討 伐 行 っ て き ま し た
うん。複数って言う分一匹一匹が弱い。
もう巣の着地点覚えて罠とかしかけちゃったりして♪
と、言うわけで……腕の部分が下位だけどまあ何とか揃ったかな。
さて、じゃあ猫飯食ってもういっちょラオ退治に……ん?
「おー……」
「すごいニャー……」
「格好いいニャ……」
おまえらこういうのが好きか、え?このスケベ猫。
確かにプロミネンスボウの赤と良く似合うんだけどね。
んじゃいってみよー。
結果。
手応え有り。
……ぶっちゃけ忘れ物一個してたしちょっと不備もあったからそのせいだと思う。
次チャレンジしたら案外できそうなのよね……。