来年もよろしくスペシャル
とあるナイツの忘年会
―酒とネコと忘年会―
闘技場の一角。
星空の下に置かれた巨大なテーブルに溢れんばかりの料理と酒。
腰をかけているのはギルドナイツドンドルマ部隊ほぼ全員。
さらによく見るとハンターその他の影もちらほらと。
ついでに奥の方では飛竜なんかもごろごろと。
その上座に陣取っているのはやっぱりギルドナイト筆頭。
「諸君、静粛に……」
「あ、コレ美味いしい♪」
「坊ちゃま〜大好物確保してまいりましたニャ〜」
「ホムラ、待てっ!! それ砂糖煮……!」
「……ぐげー」
「今日は、遠慮なく食べていいからな」
「いえ、でも、ディ君の前でそんなはしたな……じゅるるる」
「さーさー飲み比べ飲み比べ、かまーん♪」
「うふふ。マタタビ酒でよかったらお相手するけど?」
今年一年がどうこうなぞ、誰も聞いちゃいねえ。
普段は影のように控える副官も、今日ばかりは白い鎧で着飾っている。
全く見たことのない型なのが気になるが、聞かない事にした。
「ひっほう、ほろほろほスのははまがほほをふひまふは?」
(筆頭、そろそろモスの頭が底をつきますが?)
片手に皿、勿論肉てんこもり。もう片方の手にも肉、頬にも肉で。
「イリス……君は少し自重したらどうかね?」
ごっくん。
「今日は……もぐもご……ふへいほうえふはら(無礼講ですから)」
「どう考えても妙齢女性の食う量じゃないっ!!」
ハンターとは、過酷極まる命懸けの肉体労働。
お嬢様だろうがお坊ちゃまだろうが食わねば色々やってけない。
筆頭副官もその例にもれず。
「おい、ジャッシュ、お前からも何とか……!」
「やっぱり食べきれません……」
「じゃあタッパだな」
この際である。タッパの有無を聞いてはならない。
少し離れたところで、呆然とタッパ詰め親子を見る新入り。
その横ではリオソウルが生肉にがっついているわけだが。
「あの……先輩?」
「ディ、独り身には解るま……ごふぁっ!?」
次の瞬間、背後からおやすみベアの奇襲を受けるジャッシュ。
無論、次の瞬間にはぐっすり夢の中。
「これ、美味しいです、よろしければ一緒に!」
「お前、食べきれないんじゃなかったのか……?」
「いいえまだまだ」
ギルドナイト筆頭、肉を頬張りつつ何が詰まらないかと言うと、
「筆頭ーブレスワインと黄金芋酒はいりましたー」
「お、来たか」
さっきまである酒と言ったらポピ酒やフラヒヤビールしかなかったこと。
伊達に名前に「フォン」が付いているわけで無い。
酒には結構五月蠅いのだ。
「ディフィーグ、お前もこっち来い」
「……へ?」
「筆頭命令」
「へいへい……」
彼等は、まだ気付いていない。
水面下で着実に進み行く最悪の事態に。
筆頭(以下、筆)「さて、今年ももう終わるわけだが」
ディフィーグ(以下Dy)「あれ、台本形式っすか?」
ジャッシュ(以下ジャ)「物語の進行とはまったくの無関係だからな」
Dy「あー、楽屋裏って奴か……ま、スレッド立てて1年目でどんな話題があるよ?」
筆「あるだろー大事件が」
マイラ(以下My)「何ですか?」
筆「このスレが立ったこ……」
全員「んなもん事件でもなんでもねーよっ!」
一斉に飛び交う骨、コップ、タル、ネコ、皿、その他。
悪のりしたリオソウルのブレスだけはマトリックス避け。
筆「貴様等はバックグラウンドで大人しく飲み食いしてろーっ!」
全員「今夜は無礼講でーす」
筆「だったらこっちも無礼講じゃーっ!!」
飛び込む筆頭vsナイツ全員の大乱闘開始。
ジャ「進行役が行ってしまったな……」
Dy「筆頭、あんなキャラだったっけ?」
イリス(以下、イリ)「ふひほ……もぐもぐ。むしろ素です」
My「イリスさんも、キャラが違う気がします」
イリ「本当は……もぐもぐ。少し出自を匂わせる話を、もぐもご……」
Dy「あー、遅筆過ぎて今年中アップできなかったのな」
大乱闘進行状況。
ナイツ勢が数と連携で挑むも筆頭やや優勢。
My「やっぱり、大事件というと、アレですか?」
Dy「ディフィーグです……主殿がようやくスレッド立てて下さったのに……小説版が消えてしまったとです! やっぱこれに尽きるだろ」
My「……何で口調が違うんですか」
Dy「へ?」
My「???」
ディフィーグです……捨て身のネタが通じませんでした……。
ジャ「まあ、初見で既に古かったのだから仕方がないな」
イリ「やはり今だとあれでは?」
ラウル(以下ラウ)「あーあーディ君下手こいた〜」
Dy「ソレだけは嫌だーっ!!」
My「はい、おっ○っぴー」(口だけ)
ジャ「マイラ……お願いだからそういうのは……」
Dy「んでまあ、時系列で言うと今ってどんぐらいよ?」
ジャ「まあ該当する話は『俺の』『可愛い』娘を主軸に置いた『騎士の娘』シリーズだからな、お前が18になって一週間後ぐらいか」
Dy「実は劇中でも相当な大事件起こってるんだよな」
ラウ「あはは。ドラグーンの時とかテオがいきなり街に飛び込んできたからねー」
イリ「舞台の外では被害報告その他、大混乱でした」
ジャ「三拍子の件も、実はあの後からリオス科の狩猟が激減してるしな」
My「お陰でクックさんがたくさん増えているらしいです。今年熱かったので、尚更」
Dy「となると……ネタの元になる土壌は十分か」
ラウ「まあ誰かさんの昔話とか小話で相当時間取っちゃってるけどねー」
イリ「やや気になる発言もありましたが今後の予定、また、昔話のようですよ」
Dy「……俺、まだ出番回って来ないって事?」
筆「元々は短編集なんだ。固定主役を期待する方が間違いだろう」
ラウ「うわっ、戻ってきた!?」
筆「いや、途中から急に手勢が弱まってな」
大乱闘終了。
結果、筆頭逃げ切り勝利……?
Dy「そういや、姉貴は?」
ラウ「向こうで……うわー。男性ナイツ全滅」
My「ミハイルさんと一騎打ち状態ですね……」
Dy「あっちゃー……親父が散々控えろつってたのに……」
My「ミハイルさん、お酒ダメなんですか?」
筆「いい加減年が年だからな。アレで一応最年長だ」
リネット(以下、Ly)「ちょっと待ったぁーっ!!」
姉、並み居るナイツの屍をはね除けて乱入。
ミハイル始め敗者一同、ミケ姉さんの連れてきた飛竜達の引く荷車に乗せられ退場。
Dy「ぎゃーっ! 酔っ払い来たーっ!!」
Ly「今年最大の大事件つったら、アレがあるでしょーがーっ!!」
My「アレ?」
ジャ「アレか?」
ラウ「何ー?」
筆「ああ……」
イリ「来年の……」
Ly「オ ト モ ぬ こォォォォォ――――――っ!!」
多量のネコ、乱入。
残り物から何から手をつけはじめる。
ついでに何人かの女性ナイツに捕獲されてもふもふの刑。
Ly「来年はぬこよ、ぬこ年よ!! 祝え、歌え、飲めーっ!!」
筆「まあ、何を今更な話なんだけどな」
Dy「合計13匹雇えるんだっけか……ポッケ村、偉いことなら……て、おいっ!?」
ディフィーグ、いつの間にかイリスさんに羽交い締め。
ネコ、酒瓶持って大集合。
イリ「そうするべく各ネコの個性その他考え中だそうです」
ラウ「えー、覚えきれなーい」
ジャ「……そっちにフォーカスを向けてくれれば、少し休みがとれなくも無いが……」
マイラちゃん、父のコップにお酌中。
並べられた他のコップにも黄金芋酒が注がれていく。
ラウ「ディ君、もう18歳だよねー」
Dy「え、えーっと……まあ」
イリ「ちなみに16で成人、18で大手を振って飲めます」
Ly「ジャンボ村ではお姉さんと飲み比べしたのにちなんで17だよー」
筆「つまり、飲ませても法に触れないと言う事だ」
Dy「ちょ、まっ、それはアルハラーッ!!」
My「酔い潰れたら、介抱しにまいりますね」
Dy「助けてはくれないの……?」
My「ナイツ筆頭、副官、懐刀にジャンボの英雄ですから」
ジャ「安心しろ。骨ぐらいは拾ってやる」
Dy「いーやーっ!! もご、もごもご……」
筆「ほれほれ、ナイツ筆頭の酒が飲めないか?」
ラウ「一回飲ませて見たかったんだけど、ザインさんが恐かったんだよねー」
何かひらひらした物を手に、嬉々として待ち受ける女性ナイツ。
周囲の圧力によって、自らの手で酒を口に運ぶ少年ナイト。
上気する肌、潤む瞳。それは果たして、酒のせいだけであろうか。
Ly「さーて、絡み酒かへべれけか、はったはったー」
筆「……絡み、酒?」
ラウ「あれ、どしたのおじさん?」
イリ「確か……ザイン=スフィーダは……」
ふと、筆頭の脳裏を過ぎる若き日の情景。
既に、正体もままならなくなっている少年ナイト。
何か、口元でごにょごにょと言っている。
Dy「ディフィーグです……今年一年、みんなの玩具で終わりそうです」
潤んだ瞳が見るのはは何処か遠く。
言葉もどことなく生気がない。
絡まれる事はない。
筆頭の安堵はしかし、最悪の形で裏切られる事になる。
Dy「ディフィーグです……僕の10代、筆頭に弄ばれて終わりそうです……」
新年早々、女性ナイツの間に変な噂が流れたとか流れなかったとか。
ちゃんちゃん♪
Dy・筆「ちゃんちゃんじゃなーいっ!!」
2008年もよろしくお願いいたします*´∀`)