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人形の神様 

 昔々在るところに、神様の住む山がありました。
 麓の街では年に一度、娘を巫女として神様の世話をさせ、
 代わりに神様は麓の泉を通じて恵みをもたらしていました。
 それも今は昔の話で、今は泉に小さな祭壇があるだけでした。

 ある時、一人の娘が泉にやってきました。
 花と果物を泉に沈め、ただただ祈りを捧げてました。
 来る日も来る日も娘は花と果物を泉に沈めます。
 やがてその香りに気付いた神様、そっと娘に尋ねます。
 忘れられた神に何ぞ祈る?
 娘は答えます。
 父が重い病に床に伏しております。
 日に日にやせ衰え、出来物の為に眠ることすらままなりません。
 父を救ってくれるなら、どんなことでも致します。
 これを聞いた神様は答えます。
 人の死は定め。私の力を持ってしても変えられない。
 それを聞いた娘は日が沈むまで泣きはらし、そのまま眠りにつきました。
 翌朝目覚めた娘の手の平に、小さな水晶が置かれていました。
 中に入った水に、不思議な形の葉が浸されています。
 これはきっと神様の思し召しと同じ葉を探し、
 水に浸して父親に与えました。

 すると腫れ物が見る見るうちに引いていき、病の苦しみは去りました。
 それに感謝した娘、神様の巫女になると言いました。
 しかし神様の言葉を知った父親、ならば最期の仕事にと、
 小さく見事な女神像を一つ、驚くほど早く彫り上げました。
 私が死んだその後は、この像を祭壇に捧げておくれ。
 それから暫くして、父親は安らかな顔で旅立って行きました。
 そして約束通り泉に訪れた娘に神様はいいました。
 この者を私の巫女とする、と。
 すると女神像は倒れて泉に沈んでいきました。

 それからある日、陶器職人の弟子が、
 粘土を誤って湖に落としてしまいました。

 更に百年が経った時、山の奥の祭壇を訪れた冒険者の一団が、
 水晶を抱えて陶器の花飾りをつけた女神像と、
 それを取り囲む美しい侍女達の並ぶ庭を見つけたということです。

参照図書(ネタの元)
「ファンタジーRPGの100の常識・アイテム編」
人身御供の代わりの人形を自分で作る神様w
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[ 2006/10/31 14:41 ] 創作小説 | TB(0) | CM(0)
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