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思いつきをしたためた 

気付いたら鼻歌してた。
リズムはとっくに、忘れてる。


『BtoL』♪

 昔昔昔、あるところに、深い深い森が、ありました。
 深い深い森の、その奥に、大きな怪物、おりました。
 夕暮れ時から、日の出まで、辺りの獲物、平らげた。

 昔昔昔、あるところに、痩せ痩けた土地が、ありました。
 村が不作の、その年は、子供と老人、くち減らし。
 うち捨てられた、骸の山に、生きてる子供が、おりました。

 はらぺこ怪物、狩りをする。最初はウサギで、満足してた。
 はらぺこ怪物、狩りをする。子鹿もそろそろ、物足りない。
 はらぺこ怪物、狩りをする。人間楽だが、食べづらい。

 生きてた子供は、男の子、服の下にナイフ、隠してた。
 生きてた子供は、女の子、火打ち石二つ、持ち出してた。
 生きてた子供は、二人だけ、目の前お肉が、たんとある。


 はらぺこ怪物、狩りをする。牡鹿も一口、平らげた。
 はらぺこ怪物、狩りをする。雄牛を追いかけ、山の奥。
 はらぺこ怪物、雄牛も飽きた。質より量かと、山を降りる。

 二人の子供は、生き延びた。傍ら詰まれた、骨の山。
 二人の子供は、さまよった。今更村には、帰れない。
 二人の子供は、小道見つけた。荷馬車が行く先、帰れない。

 おさんぽ怪物、喉が乾いた。池の水もろとも、魚もぺろり。
 おさんぽ怪物、何か見つけた。綺麗に骨だけ、誰のだろう。
 おさんぽ怪物、悲鳴を聞いた。燃え盛る馬車と、二人の子供。

 二人の子供は、手慣れた様子。あれからどれだけ、経っただろう。
 二人の子供は、いつものように、荷馬車の中身を、奪い取る。
 二人の子供は、気が付いた。大きな怪物、こちらをジロリ。

   二人の子供は逃げ出した。怪物つられて追いかける。
   夕暮れ時から日の出まで。疲れた二人は座り込む。
   二人が背中を預けた物は、先に飽きていた怪物の腹。

   目覚めた怪物どうしたものか。食べでもお腹は膨れない。
   すやすや眠る二人の子供。長い尻尾でくるり巻いた。
   はらぺこ怪物狩りをしてた。力加減は間違えない。

 目覚めた子供は、疑問を零す。どうして僕等を、食べないの。
 目覚めた怪物は、言葉を返す。どうして仲間を、襲っていたの。
 二人の子供は、面食らう。大きな怪物、口を利いた。

 二人と一匹、山へ向かう。険しい山には、食べ物沢山。
 二人と一匹、山で暮らす。怪物のお零れ、山を潤す。
 二人と一匹、時を過ごす。いつしか二人に、子供が出来た。

 怪物の子供、すくすく育つ。険しい山道、駆け抜ける。
 怪物の子供、何でも聞いた。あなたは奥さん、いないのですか。
 大きな怪物、気が付いた。自分の仲間は、どこにもいない。

 怪物の娘、大きくなった。眠るように逝った、母を弔う。
 親子と一匹、涙流した。彼女の最期は、安らかだった。
 怪物の娘、綺麗になった。父を見送り、星空仰ぐ。

   怪物の娘は外に焦がれた。森の麓で出会った迷子。
   海辺の街の腕白少年。剣を片手に見回り中。
   怪物の娘旅人装う。貰ったリボンに潮の香り。

   海辺の街は飢えを知らず、異国の品で溢れてた。
   朝焼け時から夕暮れ過ぎて、カンテラ借りて朝帰り。
   土産話を語る愛娘。笑顔が二人に良く似てた。

 怪物密かに、少年つけた、匂いの先は、森の小道。
 飢饉の村へ、向かう荷馬車。剣を携え、少年語る。
 昔昔昔、この道に、火を噴く怪物、おりました。

 怪物の娘、剣を片手に、狩りの稽古に、ご執心。
 怪物の娘、意外と手練れ。怪物ちょっぴり、冷や汗かいた。
 怪物の娘、笑顔で語る。彼にはまだまだ、敵わない。

 海辺の少年、強くなった。街一番の、剣の腕。
 怪物の娘、追いかけた。荒くれ者など、敵ではない。
 大きな怪物、稽古で思う。人間随分、強くなった。

 怪物の娘、悩みが出来た。一緒になろうと、告白された。
 悩める娘に、怪物は言う。街で暮らして、決めればいい。
 一匹の怪物、空を眺めた。小鳥が一羽、飛んでいく。

   あれからどれだけ経っただろう。不穏な噂流れてくる。
   黒くて火を吐く怪物が、森行く荷馬車を襲ってる。
   不安に駆られ娘は走る。ねぐらは真っ赤もぬけの空。

   暗い夜道を行く影は、燃え盛る炎その身に纏う。
   月と炎が照らす夜道。並び立つのは二つの影。
   怒り宿した娘の瞳。影は声無くほくそ笑む。

 戦の火蓋は、落とされた。闇に閃く、二つの刃。
 夜通し戦を、覚悟した。けれども月が、傾くのみ。
 娘の刃は、影を裂く。彼の剣は、鈍るばかり。

 あっさり終わると、思った戦。鈍る刃が、いたずら延ばす。
 業を煮やした、黒い影は、可愛い娘を、なぎ払う。
 大きな怪物、稽古をしてた。力加減は、間違えない。

 青年を睨んだ、怪物は、呆けた瞳に、肩透かし。
 青年言葉を、紡ぐ前に、影の首筋を、娘貫く。
 青年制止の、言葉を吐くも、手遅れ影は、倒れ伏す。

 気付けば月は、雲隠れ。降り注ぐ雨、全てを洗う。
 にわか雨が、通り過ぎて、出てきた物は――。


   自分で首筋切り裂いた。余計な口を利かぬために。
   最初の獲物は決めていた。娘が借りた明かりの匂い。
   怪物器用に火打ち石、自分の牙に括り付けた。

   自分はやはり怪物なのだ。捨てる命に躊躇が無い。
   心残りがあるとすれば、自分に縋って泣く娘。
   賢い彼に託せるなら、それも杞憂に終わるのだろう。

 昔昔昔、とある国の、古い古い古い、昔話。
 大地が枯れて、荒れた時、神は遣わす、偉大な獣。
 それは大地に、降り立って、あらゆる命に、饗される。

 怪物の体、土になり、辺り一帯を、潤した。
 痩せ痩けた土地は、過去のこと。豊かな国に、なりました。
 怪物の血潮、川まで届き、広い広い広い、海まで至る。


 そこで生まれた、小魚一匹、海の王者へ、育つでしょう。
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[ 2016/06/07 19:52 ] 創作小説 | TB(0) | CM(0)
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