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某所に投下したもん 

と言うわけで、続きに。  寒冷期の朝、ディフィーグ=エイン、通称ディはカーテン越しの日差しの眩しくさで目が醒めた。
 今日は一日寝てやると思っていたのに、そんな日に限ってどうしてこうあるのか……。
(……ヤダ、もうちょっと寝ていたい。つーか寝せろ。寝せやがれ)

 今日は寝る。一日寝ると決めた。
 向こう二時間、朝の惰眠を貪ると決めたし、給仕ネコのミハイルにだって夕べそう言った。
 ベッドの上、ぬくぬくの毛布と一緒にくるくるっと丸まる。

 ぴょこっ。
 ……もそもそ。

 はみ出した尻尾に寒冷期の冷たさを感じて慌てて引っ込め、惰眠開始。
(ん……尻尾?)
 覚えのない器官の感覚。尾てい骨付近、意識をやればたしかにピコピコと動くものがある。
 それは間違いなく、自分の意志で動いているものであり……。

 嫌な予感。

 ……夢か? まだ寝ぼけているのか?
 確認を躊躇う事30分、見知らぬ尻尾はピコピコ揺れる。
 覚悟を決めて毛布の中に潜り込み、自分の体を確認する。

 自分の呼吸に併せて、蒼い毛並みが上下してるんですが。
 その向こうにある足は、間違いなくネコのソレなんですが。
 尾てい骨付近に意識をやれば、短い尻尾が毛布の天井を持ち上げる。
「ニャ……」
 そして、頭の上で、何かがピコピコ。
 ここまでくれば、鏡を見なくたって解る。

(何だこれーっ!?)
 ディフィーグ=エイン18歳、声も出せずに固まる事30分。

 意を決して布団から這い出してみた。
 改めて日の光に晒してみた腹も、足も、蒼い毛並みなネコのそれ。
 寒冷期の空気に身震いする。毛皮着てる癖にと思って両手を見れば、
(うわー……)
 以前テオに襲われた時両腕に負った火傷の跡はそのまま。
 毛並みとの境がはっきりしているだけに、人間の時も感じた籠手の印象が強くなっていた。
 どちらにせよ見せて気持ちの良い物でないので、さっさとバンテージを巻く。

(……あれ、俺が着ていた服は?)
 服と言っても、パンツとシャツと、今さっき巻き直したバンテージ、全部ベッドに脱ぎ散らかされていた。
 素っ裸でも羞恥心を感じないのは、全身を覆う毛並みのせいか。
 置き鏡を見れば、紫の瞳のとその下に広がる火傷もそのままだ。

「それにしても、コレはやばいよニャア……」
 口調とか。

 今日人との約束事が無かったのは不幸中の幸いといえる。
 しかし一体どうしたものか。原因らしい事も思い当たらず、一時間ほどベッドの上で呆けていた。

(……腹減った)

 何はともあれ腹ごしらえと思った時、ドアが開いた。
「坊ちゃまー、そろそろお腹すいたんじゃニャいですか……ニャ?」
「あ、ミハイ……」
 片手に美味しそうなベーコンエッグとトーストを並べたトレイを乗せた赤虎の給仕は、やはりというか固まった。
 原因、言わずもがな。

 しかし、固まったと思った赤虎はドアの向こうに見えるテーブルにトレイを置く。
 そしてギルドナイツとしての鍛錬を詰んでいたディには、反対側の手に握られている物が見えてしまった。
 短い指の間にギラリと光る、ナイフとフォーク。

「坊ちゃまを何処にやったニャーッ!?」
「ニャーっッ!?」
 無論投げつけられた。

 ズボッ、ズガッ!!

 ナイフが自分の座っていたベッドに吸い込まれ、反射で身を翻した先に飛んできたフォークが柱に深々と突き立つ。
 これでもう大丈夫かと思ったら、赤虎の指の間にずらりと並ぶ6本の投げナイフ。
「ちょ、ま、俺、俺がそうだって!!」
「オレオレ詐欺に掛かるほど老いぼれてねェニャアーっ!!」
「ニャアアアアアアアアアッ!?」

 ズガガガッ!!

 放たれたそれら3本は過たずディのいた場所に食い込んだ。
 先の食器もそうだがどれもまともに受ければ十分致命傷たり得る。
 ディがナイツの訓練を受けていなかったら正直危なかったかもしれない。
「待てーっ!! 俺だ! ディだ、ディフィーグだーっ!!」
「坊ちゃまの名を騙る不届き者、成敗ニャーッ!!」
「ニャギャーッ!?」

 ……果たして、彼の運命やいかに。
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[ 2008/12/16 22:54 ] モンスターハンター | TB(0) | CM(0)
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